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静音ラック・防音ラックの研究-1 ファンの選定(その1)

新年明けましておめでとうございます。今年の当日記は静音ラックR&Dとしての研究ネタを中心に技術公開していきたいと思います。「静音ラック防音ラックの研究」と題して一般の方にもわかりやすくなるように努めます。


第1回目は静音ラックに使用するファンのお話しです。

ファンの選定で最も重要なことは騒音と効率です。


大きなファンを高回転で回せば効率は高くなりますが騒音が増大します。
多くの市販パソコン、サーバに使用される「静音ファン」は従来よりも回転を落とすかサイズを大きくすることで「静音」をアピールします。この方法は高密度、高スペックを求めなければ冷却性を落として騒音を下げる、または筐体サイズを大きくする等どこかの項目と差し引きですので実質的にはなにも変わらない方法です。

ファンの羽の形状や流路の抵抗などを工夫する方法等である程度の進化は見られますが、物理的にそれ以上のことはありません。


dBseries静音ラックの場合では膨張室型サイレンサーの採用でファン自体の騒音も静音化できますのである程度の大型、高回転ファンが許容できます。


各社でラインナップされるファンのカタログ数値、特に騒音dB(A)をみればおおよその選定は出来ますが、それだけではないところがdBseries静音ラックの特徴。


それは周波数帯域に注目すること。


dBseries静音ラックでは特に中〜高音の騒音が大きく減衰されます。ですので、出来るだけその帯域に大きな騒音を持った効率の高いファンを選ぶことで、騒音の低減と効率アップが両立します。

具体的には従来型→最新型dBseriesでは140%の風量向上で僅か0.8dB(A)の騒音上昇に抑えられています。選定したファンのカタログデータは従来品36dB(A)、最新型42dB(A)と、数値では6dB(A)も異なるのに、ラックとの組み合わせではその違いがほとんど現われません。新型の組み合わせのほうが得意とする遮音帯域を活かせています。


カタログ数値だけでは判らないことを推測して実証することが2010年の静音ラックR&Dの大きなテーマです。


dBseries静音ラック Si R&D